片頭痛(偏頭痛)とは?
頭痛には種類があり、片頭痛、緊張性頭痛、群発性頭痛がある。この内、片頭痛は片側あるいは両方のこめかみから目のあたりにかけて、心臓のリズムに合わせて脈を打つようにズキズキと痛むことが多い。
個人差があるが、月に1~2度、週に1~2度といった頻度で周期的に起こるのが特徴。
痛みは1~2時間でピークに達して4時間程度で終わることもあれば、3日ほど痛みが続くこともある。
体を動かすと痛みが増し、吐き気、嘔吐、下痢といった症状も伴うため、仕事や家事といった日常生活に影響が出やすい。
人によっては、ギザギザした光が見える(閃輝暗点)、空腹感がある、生あくびを繰り返す、イライラする、手足がむくむといった痛みの予兆がある。
西洋医学の視点から
<原因>
何らかの理由で脳の視床下部が刺激されることで、顔の感覚を脳に伝える三叉神経に炎症が起こったり、脳の血管が急激に拡張したりすることで、独特の脈打つような痛みが生じるという説があるが、はっきりとした原因は解明されていない。
脳の視床下部は自律神経、睡眠、食欲、女性ホルモンの分泌などをつかさどっていることから、寝不足、寝すぎ、空腹、疲労、ストレス、ストレスからの解放、大きな音、強い光、強いにおい、人混み、気圧・温度・湿度の変化、飲酒や喫煙、女性なら出産、更年期、月経や排卵といった、ふとした日常生活の行動や環境の変化、女性ホルモンの変動などが、片頭痛を誘発するといわれており、性格的に神経質な人や女性が多いと言われている。
また血管を拡張・収縮させるポリフェノールなどの摂り過ぎも、片頭痛の引き金になることがあるとされる。
<西洋医学的治療>
薬物療法が主流で、三叉神経周辺の炎症を抑え脳の血管を収縮する働きで、片頭痛発作を抑えるトリプタンが最も使用される。
また水がなくても飲める口腔内崩壊錠、吐き気があるときにも使える点鼻薬もある。
ただし高血圧や心疾患など薬物療法により悪化を招く場合があるため、医師との相談は必要不可欠となる。
<予防>
片頭痛は、過労やストレスによって起こりやすくなるため、これらをためないようにすることが予防につながる。
また、片頭痛にはビタミンB2やマグネシウムが良いとされており、食生活の改善も効果的だ。痛みが強い時には、横になって静かな部屋で休むことが望ましい。
月に10日以上頭痛薬を飲んでいる場合には、薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)に陥っている可能性もあるため、注意が必要である。
東洋医学の視点から
<原因>
流派や先生によって見方が変わる場合もあるが、大きく見て片頭痛の場合、血行不良や体内の水分代謝、栄養の吸収などが滞り、
肝や脾の働きがうまくいかない時に起こるとが多いと考えられている。
(*ここでは東洋医学的な五臓である肝と脾の事)
肝が原因の場合
主にイライラ(ストレス)から五臓の肝がダメージを受け気が上昇し起こるもの、また目を酷使する事で「虚血」となり脳血管の収縮拡張により起こる。
脾が原因の場合
食事時や水分摂取の乱れにより、水分代謝や栄養素の吸収・流れが滞り、頭部に湿がたまり脳血管に影響を与え起こる。
<東洋医学的治療>
マッサージや鍼灸治療により、血液循環の改善や臓腑の調整による治療が主流となる。
痛みが起こってから治療を行うと言うよりは、症状がない時から出ないようにする(未病治)ための治療が主流となる。
定期的に頭痛に苦しんでおり、本格的に治療を行いたい人の場合には効果的であると言える。
痛みが強い場合に患部近くに刺激を入れすぎると悪化させる恐れがあるので注意が必要ではあるが、症状の出ている急性期の方でも治療は可能である。
<予防>
東洋医学では本来「未病」の状態で治療を行うという考えがあるため、予防と治療が同意義である場合が多い。
ストレスや食事等による原因が多いためマッサージや鍼灸治療により、身体の内側のバランスを整え、頭痛が起こる前に治療を行える。
人により個人差があり薬ほど即効性が高いわけでないが、副作用もなく血流促進による、肩こりや目の疲れにも効果があるため、予防段階から治療をスタートをする事が出来る。
まとめ
片頭痛に限らず、頭痛には危険なサインが含まれていることがある。
もし耐えられない痛みや吐き気が伴なう際には、大きな疾患の一つの症状として出る場合があるため、耐えられないから痛み止めを服用して、放置してしまうのではなく、急を要する場合も考えられるので、しっかりと専門の病院で診てもらうのが最良である。
また急に呂律が回らなく、意識を失う場合もあり得るため、激しい頭痛が来た場合には、家族や様子を見てもらえる知り合いに連絡を入れておくと安心である。
そんな頭痛を回避するには、日頃の生活習慣や食生活、予防をすることに大きな効果があると言える。