疾患について

腱板断裂(肩腱板断裂)

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腱板断裂(肩腱板断裂)とは?


始めに、腱板とは、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の腱が肩関節を取り囲み補強している構造のことを指します。

腱板は、肩関節の周囲を袖口(cuff)のように取り囲んでいる様子から、英語でローテーターカフとも呼ばれています。

その腱板の断裂により、疼痛と断裂した筋肉の筋力低下を生じ、上肢の外転(側方挙上)の途中で肩に疼痛を生じる疾患のことを腱板断裂(肩腱板断裂)と呼びます。

特に、中年以降の男性に好発します。
症状
肩の疼痛
・運動時痛:動かした時に痛みが出ること。
・安静時痛:じっとしていても痛みが出ること。
・夜間痛:寝ている時に痛みが出ること。
肩の脱力がみられます。

肩関節周囲炎(五十肩)とは異なり、肩関節の可動域制限や拘縮は軽度なのが特徴です。

また、肩関節の自動運動は制限されますが、多動運動では制限されないことが多いのも特徴です。

西洋医学の視点から

<原因>
腱板断裂は明らかな外傷によるものが半数を占めていますが、はっきりとしない原因がなく、日常生活動作の中で腱板断裂が起きる場合もあります。

また、過度の肩関節の使用によることが原因となるほか、加齢に伴う退行変性による断裂も原因の一つとなっています。

~診察~
○有痛弧兆候(ペインフルアーク)
肩を挙上するとき、または挙上した位置から下ろしてくるときに60°〜120°の間で特に強い痛みを感じることがあること。

○インピンジメント兆候
肩を上げたり、動かしたりした際に腱板や滑液包などが肩関節で衝突をしたり、狭まることで痛みを起こし、それ以上に動かすことができなくなること。

○轢音(軋轢音)
患部を自動的にまたは多動的に動かした際に生じる『ポキポキ』『ギシギシ』といった異常音のこと。

X線
肩峰骨頭間距離(AHI)の短縮がみられる。

MRI・超音波検査
腱板断裂の所見が確認される。


<西洋医学的治療>
(1)保存療法
急性外傷が原因となった際には、三角巾で1〜2週間安静にします。断裂部が治癒することはないですが、70%は保存療法で軽快します。

薬物療法・注射療法
薬物療法では、断裂による炎症を抑えることで痛みを緩和します。薬のなかでよく使われるのが非ステロイド性消炎鎮痛薬の飲み薬や塗り薬です。就寝中にも痛みがあるときはトラマドールやプレガバリンを服用します。

また、痛みが強い場合、ステロイド薬やヒアルロン酸を患部に注射することで痛みが緩和する場合があります。

肩関節周囲を併発して夜間痛があると、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を肩峰下滑液包内に注射をしますが、夜間痛がなくなった場合は、ヒアルロン酸の注射をします。

(2)手術療法
薬や運動療法で痛みが軽減せず、肩を使う仕事やスポーツをしている方、また腕に力が入らず、十分上げられないで日常生活に支障が出ている方に手術療法が検討されます。

関節鏡視下で行うことが多く、術後は約4〜6週間の外固定をし、約5カ月のリハビリテーションが必要となります。

腱板修復術
直視下または関節鏡視下で行われますが、最近では関節鏡視下手術が多くなっています。

関節鏡視下手術では、肩峰下除圧術を施行した後にスーチャーアンカーを用いて腱板断端を上腕骨に縫着します。

リバース型人工肩関節置換術
高齢者で腱板修復ができない広範囲断裂などの場合、リバース型人工肩関節置換術が行われます。


<予防>
腱板断裂の程度もありますが、状態が悪化しない、再発させないためにも予防が必要となります。

自宅でもできるトレーニング
(1)肩甲骨のトレーニング


①肩をすくめる(肩を上げるようなイメージ)

②肩甲骨を寄せる(胸を張るようなイメージ)

③肩甲骨の間を広げる(背中を丸めるイメージ)


肩の動きを良くするには肩甲骨の運動が最重要です。肩の動きが悪いと腱板にもストレスが加わってしまうため肩甲骨のトレーニングが必要となります。

(2)肩の可動域拡大トレーニング
振り子運動

立位姿勢で上体を前に倒し、患部側の手を重力に任せ下に垂らし、健側側の手は机や台に置いて楽な姿勢を取ります。

その状態で、体を前後左右に振り、腕を揺らし肩の可動域を広げていきます。

力を入れずに行うのがポイントです。

(3)腱板トレーニング
1.重錘を使ったトレーニング
仰向けになり、500gほどのペットボトルを持ち、腕を90°持ち上げ小さな円を描くように動かします。
急性の場合や痛みが強い場合は行わないでください。

2.うちわを使ったトレーニング
肘を90°にして手にうちわを持ち、扇ぐように動かします。肘の位置を動かさないようにするのがポイントです。

東洋医学の視点から

<原因>
肩関節周囲には手陽明経筋が走行しており、風邪寒邪湿邪外邪により関連する経絡の流れが悪くなると経筋にも影響し、改善せずにいると運動制限が起こると考えられます。
(外傷性を除きます)


<東洋医学的治療>
肩関節周囲(手陽明大腸経、手太陽小腸経、手少陽三焦経)を中心にあん摩マッサージ指圧や鍼灸治療で風邪寒邪湿邪を取り除き、の流れを改善します。

・肩髃(けんぐう)
肩関節を90°外転したときに、肩峰の前後に現れる二つの陥凹部のうちの、前の陥凹部に取る。

・肩髎(けんりょう)
肩関節を90°外転したときに、肩峰の前後に現れる二つの陥凹部のうちの、後ろの陥凹部に取る。

・肩貞(けんてい)
肩関節を内転し、腋窩横紋後端の上方1寸、三角筋の後側に取る。

・臑兪(じゅゆ)
肩関節を内転し、腋窩横紋後端の上方で、肩甲棘の直下に取る。

・巨骨(ここつ)
棘上窩の外側で、鎖骨肩峰端と肩甲棘との間、肩鎖関節の後内方陥中に取る。

・肩井(けんせい)
第七頸椎棘突起と肩峰外縁中央との中央に取る。


<予防>
外傷を除いて、外邪により、肩関節周りのの流れが悪くなることから、日頃から肩関節周囲のケアが必要です。

また、慢性化してしまった腱板断裂も鍼灸マッサージ治療により改善する見込みもあります。

特に、患部が冷えてしまっている場合は温めることでの流れが良くなり、疼痛を緩和できます。

まとめ

腱板断裂は外傷性によるものが大半を占めていますが、原因不明によるものや、過度に使用して起こるものもあります。

そのため、日頃から肩関節の負担を減らし、定期的にケアを行うことで腱板の疲労を軽減し、ローテーターカフがダメージを受けずに済みます。

手術を要する場合もありますが、『手術をしたくない』『もお慢性化してしまって治療を諦めている』そう思われている方は是非、東洋医学での治療をお勧め致します。

東洋医学の予防法とは⇒

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